掃き溜め

好きなことをプッシュする

アルバムHADESの話をする

9/1-2、HARDCORE TANO*C Wが開催された。参加した音ゲーマーも多いと思う。私もそうだ。もう何日も経つのに未だにイベントの余韻が抜けない。こんなイベントは久しぶりだ。

私がHARDCORE TANO*Cのイベントに参加するのは、TANO*C STRIKE IS BACKを除くと(特殊なイベントだったし)、10周年イベント以来になる。雰囲気もずいぶん変わったんだろうと色々不安に思ったりしていたのだが、完全に杞憂に終わった。現地にいる人全員が楽しいオーラ皆伝。好きなものに全力でぶつかっていく人ばかりだった。楽しんでいる人たちと同じ場所にいるだけなのに、どうしてあんなに楽しくなるんだろう? 楽しすぎて久しぶりにオープンからクローズまで会場にいた。「気を付けて帰れ!」がこんなにエモく感じられる日が来るとは。感慨深い。

HADESについてはもう何も語ることはないと思っていたけど、色々と起こりすぎて積もる話もあるので、少しだけアルバムの感想とか書きたいと思う。

そもそもアルバムの告知、あれがずるい。見るだけで息も絶え絶えだった。風呂入ってる間に告知が来るし。マジ全裸。防御力ゼロ。しかも旅先。風呂上がりに湯気ホカホカな状態で友達に告知出たって言われて半裸でTwitter開いたら「赤いアイツがやって来た」って書いてある。告知サイトが赤い。ジャケットの人が赤い。腕が赤い。なんかめっちゃノックしてる。しかもTシャツも出るらしい。嘘でしょ?なんで? 更に追い打ちをかける抱き枕カバー。抱き枕カバー?嘘でしょ???なんで?????とりあえず抱き枕カバーの写真をスマホの壁紙にしてソワソワしながら夏コミ1日目を待った。

夏コミ1日目。アルバムがHADESが出た日。アナザーゴッドの日。リミックスまである。ジャケットは美女。Tシャツも出る。クッションカバーも出る。抱き枕カバーも出る。ショッパーも出る。出すぎ。出すぎだ。

人生で初めて始発夏コミをした。逆三角の屋根の下で開場の拍手をしたのも初めてだ。枕カバーはまあ仕方なかったけど、実物を見られただけでも感激だった。等身大?の腕さん*1は思ったより大きくて頼もしい。触り心地が良さそうな雰囲気だった。ショッパーは透明感があって夏らしさ満点。Tシャツからはちょっとだけ工場っぽい匂いがした。やりきった。ひと夏の思い出。楽しかった。

さて、そのアルバムHADES。全国民に聴いてほしい。本当は全国民に差し入れてあげたい。2018年8月1日時点で日本の総人口は1億2649万人、今年の夏コミ1日目来場者数は約16万人、1日目来場者が全員HADESを買ったとしても残り1億2633万人がHADESを手にしていないことになる。勿体無い。残り全員にHADESを配るとして、アルバムは会場頒布価格1500円だったので、1500*126330000=189495000000円が必要になる。0が多すぎていくらなのか分からん。とにかくいっぱい万円なので私にはとても払えない。人生を賭けて支払ってもいいのだが、どうせ追いかけられるなら借金取りではなく肌が赤い人がいい。むしろ今すぐ追いかけてきてほしい。お願いします。そういうわけで私はダイレクトマーケティングしかできない。各自大至急HADESを購入するべし。

 

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肝心のアルバムの感想はとてもじゃないけど文字にできない。夏コミから超特急で帰宅してすぐに聴いて、とりあえず泣いた。

全部エモい。Introductionからエモい。冥界の扉が開きまくってるし赤いアイツがやって来ている。ついでにオランダ感がすごい。イントロを聴いた瞬間から涙が止まらなかった。私の聴きたかったHADESがここにある。その辺の話は長くなるので後述する。まずアルバムの話をすると、アルバム全体を通して聴くのがとても心地良い。静かで不穏なイントロから始まって、盛り上がって、夏が来て冬が来て、最後のUN1TEリミックスが締めの1曲としてとても素晴らしい。心が洗われる。で、一通り感動してからIntroductionに戻ると冥界の扉が開く。自動ドアなの?ってくらい勝手に開く。そのままHADESを聴く。次のRegulusもイントロからエモい。サイケデリックな音を聴いて、Gramが暴れて、リミックスでノック音と足音を堪能して、UN1TE聴いて、冥界の扉が開いて、……あれ……このアルバム無限に聴ける……? 気が付いたら夏コミから2週間が経ち、9月になっていた。

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ちょっと話を戻すと、HADESのアナザーゴッド版は本当に「私の聴きたかったHAEDS」そのものだった。聴きたかったというよりも「見たかった」という方が正しいのかもしれない。ジャケットのイラストやTシャツや枕カバーもそうだし、かめりあ氏のリミックス*2もそうだけど、もしもHADESのムービーが違う内容だったら、全く違うものになっていたはずなのだ。でも、そうはならなかった。HADESが弐寺の曲だからだ。インパクトのあるムービーと、ユーザーが夢中になる譜面と、曲を遊ぶまでのかっこいい演出と一緒にHADESはここまで来た。アルバムのHADESも間接的ではあるけれど、ゲーム制作陣と作曲陣の夢の合作と言えるんじゃないだろうか? 曲とゲームの一体感、それこそ私がHADESに夢中になっている最大の理由だ。今回のアルバムはまさに理想を体現した作品だった。私の追いかけてきたHADESのすべてが詰まっていた。これがHADESだ。HADESを聴くとHADESの音がする。これ以上幸せなことはない。

そう。HADESを聴くとHADESの音がする。当たり前のことなのかもしれないけど、色んな出来事の積み重ねでHADESはHADESの音が鳴るわけで、数分の中に沢山の人の力とか人生とかが詰まっている。音ゲーマーは1クレジット100円ちょっと支払えば色んな曲と気軽に出会えるけれど、音楽って本当は1曲あたりの重みがすごいはずなのだ。HADESだって、世に生み出されるまでにどれだけの苦労があっただろう? 私がHADESに辿り着くまでにどれだけの偶然があっただろう? 私は私でしかないので自分の過去を辿ることしか出来ないが、詰まるところ私の人生のあらゆるポイントにHADESと出会うきっかけが散りばめられていたのだと思う。音楽を好きになったのも、音ゲーを教えてくれた友人と出会えたのも、ミリオンゴッド*3のタイトルを覚えていたのも、クラブに通うようになったのも、全部今日この日のためにあったのかもしれない。そう思うくらい全部つながっている。ただ、「生まれ変わってもまた好きになる」なんて漫画のような表現はできない。数え切れない偶然の積み重ねの上で出会ったのだ、生まれ変わってしまったら絶対に出会えない。色んなハードルを乗り越えて、今こうしてHADESを好きになることができて、本当に良かった。

で、イベントだ。新譜、夏コミ後のタノシー、何も起きないはずがなく。先述したとおり、タノシーWの1日目である。RED。赤い。ジングルがエモい。演出がエモい。周りにHADESのTシャツを着ている人がたくさんいた。エモい。

HADESのアナザーゴッド版はとてもとても箱映えする鳴り方をしていた。改装後のWOMBはハードな音がより良く映えるようになった気がする。真面目な感想を書いてるように見えるけど、実際は理性ドゥルドゥル大流出、マジ無理しんどいエモくて尊いって状態でそんなこと1ミリも考えていない。でもアルバムを聴き込んだおかげでカメラを構えるくらいの余裕は作ることができた。念願叶ってやっと箱で流れるHADESの動画撮影に成功した。撮影に行ってるわけじゃないんだけど、猛烈に嬉しい。おめでとう自分。
しかもVJがまさかの実写版、Jingleの素材と一緒に実写版、これでもかというくらいRED、廊下地帯も赤くて、いよいよ冥界入りしてしまった感がすごかった。

いつものアンセム曲と新曲と、なんだかMNKの足跡を辿るようなセットに感じてとても楽しかったし嬉しかった。体力残ってたら2日目も行きたかったけど、こればかりは仕方ない。かめりあ氏のリミックスは別の現場で狙いたい。

とても素晴らしいイベントだった。余韻が抜けない。冒頭にも書いたけれど、現場の雰囲気というのは本当に楽しいし、現場に集まってきた熱意のある人達に巻き込まれることで新しい感動が得られたりする。クラブはいい場所だ。行くまでのハードルは高いし、行ってみるまで楽しいかどうか分からない。でも、行かなければ楽しさも後悔も味わえない。行こうか行かないか悩んでいる人がいれば是非、一歩踏み出してみてほしい。

嬉しいことといえばもう一つ、前の記事を書いてから度々感想をいただく機会に恵まれた。よく作家には感想を送ったほうが良いという意見を見るけど、本当にその通りだと思う。生きる意欲がメチャクチャ湧き上がる。拙い文章でも書いてよかった。

読んだ人が一瞬でもHADESのことを考えてくれるきっかけになれたなら嬉しいし、ゲーセンで遊んだりサントラ買ったりアルバム買ったりしてくれたらもっと嬉しい。私はそれを後ろから眺めてニチャニチャ笑っていたい。

皆さんも好きなものを好きなように語って、健康になろう。

*1:Tシャツの柄の人。爪の長い男性はムービーに居ないしジャケットの人とも違うので腕さんと勝手に呼んでる。

*2:7/29のかめりあ氏Twitterより。「赤い死神が常にお前のそばにいる」ってセンスの塊すぎない?同じくリミックス名の由来に「Memento Mori」があるが、このタイトルを冠した曲が同じアルバムに入っているのも凄い。

*3:パチスロ。爆発力のある台。シリーズに「アナザーゴッドハーデス」がある。察しろ。